HC-240 春は認知症の周辺症状が悪化する!?食事からアプローチできる旬の薬膳レシピ
この記事を読んでわかること
- 中国医学から考える、認知症の周辺症状とその原因
- 気の巡りをよくする春の旬食材
- 身近な食材を利用した、認知症の周辺症状改善レシピ
本日のレシピ 春菊と新玉ねぎのサラダ ホタテのうまみドレッシング
介護者にとって深刻な徘徊やうつといった認知症の周辺症状。これらの症状は、特に春に悪化しやすいといわれています。中国医学から考えるその原因と、今日からでも取り入れられる食事での対策を紹介します。
春は、徘徊、うつが増える
認知症症状のひとつである徘徊。徘徊は、外にまで出てしまうと事故などの危険もあり、介護者にとっては非常に深刻な問題です。春は、この徘徊や、うつといった認知症の周辺症状が起きやすくなるとされています。その理由として漢方的に考えられているのが「気滞」です。
「気滞」とは、通常身体をスムーズに巡っているはずの「気」の巡りが悪くなることを意味し、ストレスが主な原因とされています。春は気温の変化が激しいため無意識のうちに身体がストレスを受け、気滞が起こるというわけです。
春に起きやすい「気滞」が認知症の症状を悪化させる
「気」が滞った状態である「気滞」をそのままにしておくと、身体はさらにストレスに弱くなります。徘徊やうつといった認知症の周辺症状にはストレスが大きく影響するとされており、ストレスによって症状が悪化すると考えられているのです。
また、気滞が起こると、気とともに身体を巡っている血液の巡りも悪くなるため、うつなどの心身症状だけにとどまらず、頭痛や肩こりなども引き起こすことがあります。
食事でのアプローチで気滞を解消
気滞によって、イライラする、不安に襲われるといったときは、スポーツなどで気分転換するのが有効です。しかし、高齢の認知症患者ではなかなか難しいのが現実でしょう。そこでおすすめなのが食事でのアプローチ。
普段の食事に「気の巡りをよくする食材」をプラスします。日常生活のひとつである食事の中からアプローチすることで、患者本人に負担を与えることなく対策をとることができます。
気の巡りをよくする食材とは
「気の巡りをよくする食事」のように、中国の医学に基づいて食材がもつ作用を取り入れた食事は「薬膳」と呼ばれます。気の巡りをよくする薬膳で取り入れられる食材は多くありますが、ここでは、比較的取り入れやすい春の旬食材を紹介します。
●蓮の実
煮物、炒め物として取り入れられます。精神を安定させる働きがあるため、気滞による情緒不安定に効果的とされています。
●春菊
気の巡りをよくし、不眠にも効果的とされています。
●しそ
気の巡りをよくし、身体を温める効果も期待できます。
●たまねぎ
血液をサラサラにする作用があるため、気滞による血流の悪化に有効です。
気の巡りをよくするといわれる食材に多く見られる共通点が「香りがよい」という点。香りの強い食材は、気滞を改善し、身体をリラックスさせる効果があるといわれています。また、ジャスミンティーやミントティー、ローズティーといった香りのよいお茶も気の巡りをよくするのに効果的。食事にあわせる飲み物としておすすめです。
では、これらの食材をどのような食事で摂取したら良いのでしょうか。今回は「気の巡り」をよくすると言われている旬の食材の中でも、特に、手に入りやすい食材を使用したサラダをご紹介します。ドレッシングにも新玉ねぎを使い、ホタテの缶詰と合わせることで旨味もたっぷりです。(※ドレッシングは作りやすい分量です。お好みの量をかけてお召し上がりください。)
本日のレシピ
春菊と新玉ねぎのサラダ ホタテのうまみドレッシング
作り方
まとめ
気滞を改善する食材にはさまざまなものがあり、今回紹介したもののように、比較的身近で手に入りやすい食材もあります。とはいえ、毎日気滞によい食材を意識して献立を考えるのはなかなか難しく、それ自体がストレスとなってしまうこともあるでしょう。
ストレスなく、手軽に継続して認知症によい漢方を摂るには、健康食品を利用するのもひとつの方法です。そこでおすすめするのが、ドリンクタイプなので高齢者でも飲みやすい漢方飲料です。薬膳も取り入れつつ、漢方成分がたっぷり含有した飲料を上手に利用することで、春の「気滞」を予防・改善していきましょう。