ターミナルケア 〜認知症になっても本人らしい最期を

ターミナルケアとは病気によって死を迎える方に対し、精神的・身体的苦痛を和らげ、本人が少しでも穏やかに過ごせるようにするケアのことです。今回は、認知症のターミナルケアについて解説します。

この記事の目次
  1. ターミナルケアとは
  2. 延命の処置について判断する
  3. 最期を迎える場所の選択
  4. 自宅でのターミナルケア
  5. 施設でのターミナルケア
  6. 認知症の人の声を聞きましょう!

ターミナルケアとは

ターミナルとは、認知症に限らず、病気による終末期のことです。ターミナルケアは余命がわずかとなった方の医療や看護のことで、日本では医療よりもケアの範疇として認識されています。

治療や延命よりも、本人の生活の質(QOL<クオリティオブライフ>)の向上を目的とし、精神的・身体的苦痛や死への恐怖を和らげるためのケアのことを言い、緩和ケアの一つです。

延命の処置について判断する

物が食べられなくなったら…、呼吸が止まったら…、心臓が止まったら…など延命治療について、本来は本人の意思で決めます。しかし、認知症では意思確認が難しい場合が多いため、家族の意思に委ねられます。

デリケートな話題ではありますが、終末期を迎える前に、家族で話し合っておくと良いでしょう。

最期を迎える場所の選択

最期はどこで迎えるかを、家族で相談しておく必要があります。自宅、施設を選んでも、容体が急変した場合は病院に搬送され、最期を迎えることもあります。

本人だけでなく、家族もできること・できないことを見極めて、よく話し合っておきましょう。

自宅でのターミナルケア

『令和元年高齢社会白書』によると、60歳以上の人に、万一治る見込みがない病気になった場合、最期を迎えたい場所はどこかを聞いたところ、約半数(51.0%)の人が「自宅」、31.4%の人が「病院・介護療養型医療施設」と回答しています。

自宅でターミナルケアを行う場合は、在宅医療や訪問看護・訪問介護など様々なサポートを受けながら、家族が中心となります。

医療や看護のサポートと連携をとる

ターミナルになると、それまで以上に医師や訪問看護師などと密に連絡を取り合っていく必要があります。治療の範囲として点滴や酸素吸入などの処置を行うのか、治療を行わずに自然に任せるのかなど、よく相談してください。

また、最期を迎える時の連絡方法を確認する必要があります。

施設でのターミナルケア

終の住処として施設に入所している場合も多く、ターミナルケアを実践している施設も多くあります。

しかし、自宅と同様住み慣れた環境で最期を迎えたいと願っていても、病院に搬送される場合がありますので、あらかじめ本人や家族の希望を施設側に伝えておくことが必要です。

認知症の人の声を聞きましょう!

厚生労働省は、認知症の人本人からの発信の機会が増えるよう、5人の認知症本人の方々を認知症に関する普及啓発を行う「希望大使」として任命しました。具体的には、認知症の人からの発信が増えるように普及啓発活動を行います。

その中で、『認知症とともに生きる希望宣言』があります。その中で「自分なりに生きてきて、これからも、最期まで、自分が人生の主人公です。」という宣言です。認知症の方が自分の生の終わり方を決めることができるように、家族間で話し合いをしておくことが大切です。

参考文献:1)内閣府 令和元年高齢社会白書 (2020年3月2日アクセス)
2)厚生労働省 希望大使(2020年3月2日アクセス)
3)厚生労働省 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(2020年3月2日アクセス)


このページの
上へ戻る