認知症サポート医とは

認知症サポート医は、地域における認知症医療・介護などがスムーズに連携し機能するようサポートする、高い専門性を持った医師です。このページでは認知症サポート医の役割や活動内容について解説します。

この記事の目次
  1. 認知症サポート医とは
  2. 認知症サポート医とはどんな医師?
  3. なぜ認知症サポート医が必要なのか
  4. 認知症サポート医のあゆみ
  5. 認知症サポート医の役割
  6. 研修の対象者と内容
  7. 実際の活動内容
  8. かかりつけ医や専門職へのアドバイス・相談
  9. 「認知症初期集中支援チーム」構成員として
  10. 地域の各関係機関との連携
  11. 直接患者さんを診療
  12. かかりつけ医に対する研修
  13. 認知症サポート医の今後

認知症サポート医とは

認知症サポート医とはどんな医師?

認知症サポート医とは、認知症の患者さんや、その疑いのある方が、早期から地域の中で必要な医療や介護に繋がることができるよう、案内役やパイプ役を担う医師です。 また、地域の診療所などで普段私たちが診察をしてもらう、かかりつけ医へのアドバイスや、関係機関や他職種との連携・協力体制の整備などを行う、地域の認知症医療の指導者でもあります。

なぜ認知症サポート医が必要なのか

急激な高齢化により既に超高齢社会となった現在の日本では、介護が必要になっても住み慣れた地域で必要な医療や介護を受けながら安心して暮らせる社会の体制「地域包括ケアシステム」の実現を目指し、様々な取り組みが進められています。

その中で現在、認知症の早期診断・早期対応を目指して初期段階を集中的に支援するチーム「認知症初期集中支援チーム」の全国設置が目標として掲げられていますが、認知症サポート医はチーム結成の必須条件でもあるため、各地で増員が急がれています。

認知症サポート医は、チームの核として認知症患者やその疑いのある方が、診断・治療から介護、地域資源など、様々な支援を途切れることなく受けられるようサポートし、地域の中での体制づくりに貢献することを期待されているのです。

日頃から患者と接し、認知症の初期症状に気づく機会が多いのは、ふだん私達が通う内科などのかかりつけ医です。しかし、かかりつけ医は認知症の専門ではないことが多いでしょう。そのため、診断が遅れるケースや、診断はされてもその後の対応が難しく、なかなか適切な支援に結びつかないケースもあります。

認知症サポート医は、そういったかかりつけ医に対して、認知症への対応力を強化するための研修や相談などを行う指導者として、地域で必要とされています。

認知症サポート医のあゆみ

2005年より厚生労働省が「認知症サポート医養成研修事業」として国立長寿医療センターに委託し、都道府県・指定都市が実施主体となり研修を開始しました。2011年より各地でフォローアップ研修も開始されています。

2015年度の末には、全国で5,068人が研修を修了し、現在の厚生労働省の目標値として、2020年で受講者累計1万人という数値が掲げられています。

参照:厚労省 認知症施策の方向性と展開 P4
厚労省資料 P3

認知症サポート医の役割

かかりつけ医とどう違う?

一般的なかかりつけ医が、日常的な診療における患者への的確な診断や適切な対応を求められている一方で、認知症サポート医は指導者としての活動や地域における関係機関や他職種と連携の推進役を期待されています。

認知症サポート医の役割を一般的なかかりつけ医の役割と比較してみましょう。

一般的なかかりつけ医の役割

・早期段階での発見・気づき
・専門医療機関への受診誘導
・一般患者として日常的な身体疾患対応
・家族の介護負担、不安への理解

認知症サポート医の役割

・かかりつけ医研修の企画立案・講師
・かかりつけ医の認知症診断等に関する相談役・アドバイザー
・地域医師会や地域包括支援センターとの連携づくりへの協力
・認知症医療に係る正しい知識の普及を推進

引用:厚労省 認知症施策の方向性と展開 P4

地域の中での立ち位置

認知症の方やその家族が、地域で必要な医療や介護を受けられるよう、認知症サポート医はさまざまな機関との連携役を担っています。イラストでイメージしてみましょう。

研修の対象者と内容

地域で認知症医療に携わり、認知症サポート医として適任と認められた医師が、医師会の推薦を受け、地域で役割を担うために必要な連携体制の構築、かかりつけ医に対する研修の立案から実施などについて、2日間の研修を受けます。

自薦にて認められ研修を受ける医師もいます。

実際の活動内容

認知症サポート医は、主に以下の活動をしています。

かかりつけ医や専門職へのアドバイス・相談

地域のかかりつけ医や認知症に関わる地域包括支援センター、専門職などからの相談を受けます。自身で対応困難な場合は、認知症疾患医療センターなど、更に高次の機関の専門医に相談します。

「認知症初期集中支援チーム」構成員として

チームに所属している場合は、チーム員会議に参加し、医療的な側面からの助言をします。

地域の各関係機関との連携

地域包括ケアシステムの中で、地域包括支援センター、ケアマネージャー、様々な専門職がスムーズに連携できるよう、各方面に働きかけるほか、認知症疾患医療センターなど高次の医療機関との連携も行います。高度な医療から介護・生活・地域資源までを把握し、必要に応じて仲介します。

直接患者さんを診療

普段は自身も、かかりつけ医として診療所や勤務先で通常の診療を行うほか、認知症サポート医として紹介を受け困難事例を受け持つこともあります。

かかりつけ医に対する研修

都道府県医師会等と連携し、かかりつけ医に対し、認知症に関する知識・技術や、本人や家族支援のための地域資源との連携等についての研修、「かかりつけ医に対する認知症対応力向上研修」を企画・立案し、実施します。

自身も「認知症サポート医フォローアップ研修」に参加し、他の認知症サポート医と困難事例や地域での活動などについて情報交換し、今後の活動に生かします。

認知症サポート医の今後

2017、厚生労働省は認知症サポート医研修の受講者数と配置目標を大幅に引き上げ、2020年には受講者数1万人、一般診療所10件に対して1名を配置することを目指しています。

配置目標が達成され、今後活動内容が更に充実していけば、私たちのかかりつけ医が、日常的にに認知症サポート医のアドバイスや研修を受けられるようになり、認知症になっても地域の中で安心して医療や介護を受けられるようになります。

また全国各地で認知症サポート医の所属するチームが活躍し、認知症の早期診断・他職種との連携も含めた対応が地域差なく可能になっていけば、誰もが緩やかに進行する認知症と共に、住み慣れた地域で安心して暮らせるようになるでしょう。

未公開の地域もありますが、自治体や医師会のHPで、認知症サポート医や、その研修を受けた「かかりつけ医認知症対応力向上研修修了者」のうち、承認を得られた医師の名簿を見ることができます。認知症への不安があり、まだ信頼する「かかりつけ医」がいないという方は、受診先を決める参考にしてみてはいかがでしょうか。

引用:厚労省資料 P3


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