発症から診断まで:認知症の周辺症状
1. 認知症によって現れる周辺症状とは?
人格・性格変化、精神症状(不安・焦燥感・躁鬱状態・暴力行為・自殺企画)、幻覚・妄想、せん妄などがあります。
最近は「元の障害」と「障害の結果出る心の反応」といって、傷害した知能で今を理解して出る行為、行動、感情が周辺症状(BPSD)とも言われています。
2. 認知症に伴う、人格の変化とは?
大事な約束を忘れるなどの物忘れや日時がわからなくなる、些細な事で怒りやすくなる、一日中テレビを見て興味を失いただぼんやりするなどが認知症の最初の兆候です。
人格変化というよりも認知症の症状です。
3.せん妄とは?
軽度の意識障害で、ぼんやりした状態から、判断力・理解力の低下と幻覚や錯覚を伴い異常行動(暴力行為、徘徊など)が急激に出現します。
適切な薬物や環境の整備によって短期間で治すことも可能なので、見逃してはならないでしょう。
4. 妄想とは?
現実にありえないことを強く確信し、説得できない状態を言います。
「大切なものを盗まれた」「自分をのけ者にしている」などと、事実ではないことを実際にあったかのように思い込みます。
5. 幻覚(幻想・幻聴)とは?
実際には、そこにないものがあるように思い込むことです。
いないはずの人が家の中にいるなどの幻覚があります。そこには何もないけれど、物音や人の声が聞こえる。このような現象が幻聴です。
6. 被害的念慮とは?
他人に苦しめられているという妄想です。
7. 認知症患者に睡眠異常がみられるのか?
梗塞が多発する事で言われているが現在は血管性認知症と一緒です。
8. 感情失禁とは?
ちょっとしたことで激しい感情が引き起こされ、昔の話をすると涙が止まらなくなるなどの症状です。
本人は自覚していても抑えられません。老化からくる現象でも有り、話題を変えるなどの工夫をしましょう。
9. 認知症の人の不安とは?
自分が失敗した事や、身体疾患、思ったことがうまく伝えられないなどに関して強い不安に襲われます。
その不安を聞いて欲しいために徘徊したりする場合もあります。
10. 抑うつとは?
気分が沈んだ状態、憂鬱な状態を指し、何をするのもおっくうという状態になり表情は硬く暗くなります。
11. 心気症状とは?
それのみでは病気といえないような症状(便秘・不眠・頭痛・体の痛み等)を気にしてクヨクヨ思い悩みあれこれ訴える状態をいいます。
だからこそ、そこは「病気なのだ」という認識を持って受容し、聞いてあげましょう。その時は気分転換できるような声かけを工夫しましょう。
12. 記憶障害とは、具体的にどんな状態か?
物事を覚える、脳に保存する、覚えたことを呼び起こすといった能力が低下した状態です。
13. 認知障害とは、具体的にどんな状態か?
言葉のやり取りが出来ない(失語)、適当な認識ができない(失認)、道具を使うことが出来なくなる(失行)、計画を立てたり手順をふむ作業などが困難となるといった症状が出ます。(実行機能の障害。)